上顎のブレードインプラント除去してオールオン4ザイゴマインプラント施行し、審美性が高いスマイルラインを獲得した症例。

今回は当協会理事 大多和徳人先生が2024年に行った、上下顎オールオン4ザイゴマインプラント手術症例の発表です。下記、ご参照ください。
左:初診時
右:最終補綴セット時
 
患者情報
氏名:Y.N 様
58歳(現在59歳)、男性
福岡県外の患者様

主訴:下顎のBrがとれて咀嚼しづらい

現病歴:元々下顎のBrをしている所が欠けてしまい、咀嚼がしづらく困っていた。近隣の歯科医院に相談するも歯周病が酷く、リセットは難しいとの事だった。インターネットと当院YouTubeにてオールオン4ザイゴマインプラントを知り2024年4月に相談目的に初診来院。
咀嚼しやすい状態で審美性が高いスマイルラインを獲得したいとのご希望で上下顎オールオンザイゴマインプラントを提案、5月25日手術予定となった。
既往歴:肝機能異常

常用薬:なし

生活歴:飲酒 缶ビール(350ml)×1本、
       ハイボール(350ml)×1本
    喫煙 現在はなし
   (2009年から禁煙、禁煙前は5本/日)

術前顔貌所見

顔貌はほぼ左右対称、左口角の位置が…続きを読む

術前パノラマ画像所見

42┴137、65┬27が欠損。└7、7┬13…続きを読む

術後パノラマ画像所見

上顎に4本ザイゴマインプラントと…続きを読む

結果

上下顎オールオン4ザイゴマインプラン…続きを読む

術前顔貌所見

顔貌はほぼ左右対称、左口角の位置が右口角の位置より、わずかに高位。鼻唇溝は深いが、人中は浅く不明瞭。上顎正中はやや右側に偏位しているような所見を認める。鼻翼の位置は両側ほぼ対称。
上唇が薄く、下唇が厚い。
バッカルコリドーを認める。


術前口腔内所見

上顎Brを認めるが適合不良部と金属の露出を認める。6┘は廷出している。口蓋には口蓋隆起を認める。下顎は、欠損部と多数の残根を認める。
また上顎が唇側傾斜しており上顎前突様の所見を呈する。


術前パノラマ画像所見

42┴137、65┬27が欠損。└7、7┬13が残根。上顎前歯部の1┴2部にブレードインプラントを認め、天然歯とBrで繋いだ様な所見を認める。下顎は著明な骨硬化を認める。└57、7┬35の根尖相当部には嚢胞様所見を認める。


術前CT画像所見

上顎前歯相当部にはブレードインプラントを認める。インプラント周囲に炎症を示唆する明らかな所見は認めない。下顎骨は骨硬化を認める。 両側頬骨の骨幅は十分な幅を認める。 両側上顎洞に明らかな病変は認めない。


治療計画

上顎前歯部はブレードインプラントを除去する事で骨のボリュームが更に少なくなる、また両側上顎臼歯歯槽骨に十分なボリュームがないため、両側臼歯部のザイゴマインプラント4本埋入を検討した。下顎は全体的に十分な骨幅があり、歯槽頂部から下顎管までの十分な骨幅を認める為、十分な骨整形を行い、安定度を高めるプラットフォームの設計が必要であると考えた。術中は静脈内鎮静法下での手術を予定した。


手術所見

2024年5月某日 静脈内鎮静法下に手術施行

術式:静脈内鎮静法下、上下顎オールオン4ザイゴマインプラント
(多数歯抜歯術、ブレードインプラント、撤去、ザイゴマインプラント埋入術)施行

手術時間:2時間56分


摘出物所見

摘出されたブレードインプラントの一部の画像(右記)


術後口腔内所見

術直後の写真。上顎のプロビジョナルレストレーショの52┴25相当部の口蓋側に4つのアクセスホールを認め、オールオン4である事が確認出来る。上顎正中に対し、下顎正中はやや左側に偏位している。


術後パノラマ画像所見

4本のザイゴマインプラントと4本のノーマルインプラントに8本のアバットメントを認める。同部にはテンポラリーシリンダーが装着されている。上下とも骨整形を示唆する所見を認める。

術後顔貌所見

顔貌はほぼ左右対称、左口角が右口角よりやや高位の位置にある。人中直下の位置よりやや右側に上顎正中を認める。上唇と下唇の厚みの差が縮小している。バッカルコリドーを認める。

 

試適

2024年9月

CAD/CAMで製作したプロトタイプを患者の口腔内にて試適、歯の形態は満足されているとの事だった。歯肉はプロビと同じような形態を希望された。歯の色はA3の自然色を希望された。

口腔外所見:正中に対して上顎正中が一致、バッカルコリドーは認める。

口腔内所見:上顎と下顎で正中は一致。

最終補綴物セット

2024年11月

試適したプロトタイプをもとに、ジルコニアミリングマシンを使用して、モノリシックジルコニアの上部構造を作成しステイニングにて歯肉および歯牙の色を調整。術後6か月に患者様の口腔内にセット。歯肉の形態や歯の色は患者様のご要望通りに作成した。


術後パノラマ画像所見

4本のザイゴマインプラントと4本のノーマルインプラントに8本のアバットメントを認める。上下とも最終補綴物を示唆する所見を認める。

最終補綴物セット後の顔貌所見

顔貌はほぼ左右対称、口角は左口角がやや高位にある。上顎正中は顔貌の正中に一致している。スマイルラインは下唇上部に沿うような湾曲を描いている。上唇と下唇の厚みの差は縮小している。バッカルコリドーを認める。


最終補綴物セット後の口腔内所見

最終補綴物セット後の写真。上下顎のモノリシックジルコニアの上部構造である事が確認出来る、またアクセスホールを計8つ認め、オールオン4である事が確認出来る。上顎前突の改善を認める。


結果

上下顎オールオン4ザイゴマインプラント を行う事で、審美性の高いスマイルラインを獲得できた。 ご本人様からは「今回、下だけでなく上下の手術をして本当に良かったです。」との事だった。

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